OTAKU meets IDOL

from 早稲田大学アイドルと言葉で遊ぼうの会

アイドル楽曲とその他J-POPの違いについて考察してみた! - WebZINE「OTAKU meets IDOL」第2回

皆さまこんにちは! 早稲田大学アイドルと言葉で遊ぼうの会 幹事長兼中の人でございます! 秋学期がはじまり、10月にも入ったところですが、皆様いかがお過ごしでしょうか? 中の人は好きなアイドルが活動休止になり、そのストレスで胃がおかしくなりましたが元気です!!! 元気です……

本サークルでは、10月よりオフラインでの活動を始めました。週に1回、火曜日15:00-16:15(4限の時間帯)14号館3階ホワイエにてゆるゆると駄弁ったり原稿を書いたりしていますので、興味のある方は是非お越しくださいませ!

 

さて、記念すべき第1回の活動として、先日10月9日にアイドルの曲を聴きながらひたすら駄弁る会をおこないました。聴いた曲はHauptharmonieでんぱ組.inc、嵐、Hey!Say!JUMP、ジャニーズJr.など多岐に渡るのですが聴いていく中で我々はある一つの疑問に達しました。

何がアイドル楽曲で、何がアイドル楽曲でないのか?

アイドル楽曲の定義って何だろう? 容姿端麗できらきらしてる男の子が歌ってる曲は全部アイドル楽曲? じゃあ菅田将暉が歌ってるのはアイドル楽曲なのか否か? ばかげていると思われるかもしれませんが、そこの境界線って曖昧ですよね。大原櫻子ちゃんとかってアイドルなのか? みたいな……

今回はそんな議論をしながら第1回オフライン活動を座談会形式でまとめてみることにしました。

 

中の人:このサークルの幹事長。ジャニーズJr.のおたくをしていたが、ところがどっこい担当*1が突如として活動自粛となってしまった。心に傷を負っている。

びんちゃん:中の人に巻き込まれてこのサークルのオリジナルメンバーとなってしまった犠牲者のうちの一人。嵐の櫻井翔くんのおたく。毎週活動に参加してくれる優しい子。

 

――とりあえず楽曲派アイドルといえば!! ということでHauptharmonie*2セカンドアルバム「Herz über Kopf」より「BUDDY」を聴くことに。

びんちゃん:なんだこの曲……歌ないの?

中の人:歌は途中から始まるよー。でもアルバムの一曲目が歌なしなのはよくあるやつなんじゃない? インスト*3っていうの? バンドとかでよくあるじゃん。「けいおん!」で見たことある。

びんちゃん:バンドとか聴かないからわからんな。

中の人:バンドじゃなくても、セクゾ*4とかでもあった気*5がする。

びんちゃんセクゾも聴かんからなーー……

中の人:まあいちばん最初の曲ってこういう感じなんじゃない? 私も好きなアイドルグループCD出したことないからあんまり分からないな……

びんちゃん:あ、歌はじまった。

中の人:台詞があるのは女の子のアイドルっぽいよね。でも、ハウプトは野心剥き出しというか、心にたまった鬱憤をまき散らしている感じがするから王道からは程遠いような気もするけど……

びんちゃん:途中から曲調変わるのは好きかも。うーん、でも、もっと明るい曲が聴きたいわ……アイドルだし……もっと、こう「頑張ろう!♡」とか「君は頑張ってるよ!♡」みたいな曲ないの?

 

――もっと明るい曲が良い! ということででんぱ組.inc*6「W.W.D」のMVを見ることに。

中の人:明るい曲かと言われたら、少し違う気もするけれど、私たちはひたむきに頑張ってます! というコンセプトの曲ではこれが一番だと思う。

びんちゃん:MVがあるのはいいね。曲だけよりも楽しい。あ、もがちゃん!! *7もがちゃんでしょこの子!?

中の人:そうだけど……もがちゃんはわかるの?

びんちゃん:もがちゃんは知ってる! わーかわいいなぁ……でんぱ組ってさあ、キンプリみたいじゃない?

中の人:えっ? キンプリって、あのキンプリ? King&Prince?*8

びんちゃん:そう! 似てる気がする!

中の人:うーん、私にはいまいちわからないけれど……どういったところが……?

びんちゃん:こう、MVで一人ずつの顔が大きくバーン! って画面に映し出されるのが、似てない?

中の人:アイドルのMVってそれが普通だと思ってたけど、嵐は一人ずつ大きく抜かれたりしないのかな。嵐のMV見たことないから分かんないや……今度の活動で見ればいいのか!

 

<追記>

第2回オフライン活動でYouTubeに掲載されている「Happiness」のMVをびんちゃんと一緒に視聴しましたが、5人全員で画面に映っている時間が抜かれている時間よりも圧倒的に長く(というか1人だけで抜かれる場面がほとんど存在せず)驚きました。もしかしたらアイドルとはこうであるべき!というアイドルの哲学みたいなものがグループによっても違うのかもしれません。その辺を考えてみても面白いかもしれませんね。

 

――続いて、びんちゃんの好きなアイドルグループ嵐*9のベストアルバム「5×20 All the BEST!! 1999-2019」より「5×20」を聴くことに。

びんちゃん:この曲は嵐皆で作詞した曲なんだけど、最終的には翔くんが全部手直ししたんだって。

中の人:おおー、さすが櫻井くん。サクラップ*10だねサクラップ

びんちゃん:そう! 翔くんってラップ書くじゃん? だからめちゃめちゃ韻踏んでるの。ほら、「嵐、探し、辺り騒がしい」とか。

中の人:めっちゃ韻踏むじゃん。ヒプノシスマイク? みたいだね。もはや櫻井くんラッパーになった方が良いのでは?

びんちゃん:やっぱりさー、本人たちが作詞するのって良いよね。今までのことが歌詞になってるっていうのに感動しちゃう。この「"5" is my treasure number」っていう歌詞とか、本人たちが書いてるんだ! って思うとはあああああああ!!!! ってなる。

中の人:5にこだわってる感じとか、ファンとしては嬉しいだろうね。

びんちゃん:元々この歌詞は「our treasure number」になる予定だったんだって。でも最終的に「my」に変えたって、この前行った展覧会*11で書いてあった。

中の人:へーそうなんだ。確かに「our」よりも「my」の方が好きかも。一人ひとりが5人という数字を大切に思ってるのが伝わってくる。

びんちゃん:あと、最後に「ありがとう」って歌うのも良い! はあああああ……実はこれ去年の札幌のコンサート初日で初めて歌った曲なの。だから私は初めて聴いたファンのうちの一人なんだ。良い思い出だなあ……学校から直行したんだよね。団扇持って学校行ったもん。

中の人:そういえば、この曲、JUMP*12の「H.our Time」とちょっと似てる気がする。「H.our Time」も10周年の曲なんだけどさ。

びんちゃん:本当?それ聴いてみたいかも。

 

――中の人の「似ている気がする」という言葉からお次はHey!Say!JUMP10周年ベストアルバム「Hey! Say! JUMP 2007-2017 I/O」より「H.our Time」

中の人:この曲もメンバー作詞で、自分の歌うパートをそれぞれが書いたみたいだよ。

びんちゃん:曲名の「H.our」のHってどういうこと?

中の人:「時間」と「私たち」をかけてるんじゃない? あとHey!Say!JUMPのHとか? うーんこれはJUMPのおたくに聞いたほうがいいかも……

びんちゃん:「正直躓いたときもあった 10年 理想とは違くて」とか、今までのことを歌ってる歌詞が良いよね。

中の人:あと、今までにリリースされた曲の歌詞を少しずつ入れてるのも良い!この「喜び悲しみ 受け入れて生きる」はデビュー曲*13の歌詞なの!

びんちゃん:激アツだね。激アツフェス。

中の人:なんか、今思ったんだけど、アイドルの曲って「この子たちにしか歌えない!!」っていう歌詞じゃないとだめな気がする。

びんちゃん:どういうこと?

中の人:うーんと、上手く言えないかもしれないけど、アイドルって「何が出来るの?」みたいによく言われるじゃん。ダンスならダンサー、歌なら歌手、っていう風にあらゆる分野でもっと秀でた人がいる。じゃあアイドルの価値って何?って話になると思うんだけど、私は「その子の存在そのもの」が価値になる存在こそアイドルだと思うんだよね。何が出来る、何に秀でている、じゃなくて、その子がそこにいるというそれだけで価値があるというか……だからこそ、その子にしかない魅力が引き出せるような曲、その子にしか歌えない歌詞の曲こそがアイドル楽曲だと思うの。

びんちゃん:じゃあ、このJUMPの曲とか「5×20」はまさにそれだ。

中の人:そうなの! だからアイドル楽曲として物凄く好きなんだよね。でも、そういった点で、少し残念だなあというか、うーんと思った曲もあるんだよね……

びんちゃん:それって誰の曲?

中の人HiHi Jets*14の「Be my story」って曲。嫌いじゃないし良い曲なんだけど、「その子にしか歌えない」という観点で言ったら、うーん、かも……

 

――折角だからその曲も聴いてみよう、ということで、お次はジャニーズJr.内ユニットHiHi Jets「Be my story」。

びんちゃん:「Be my story」……物語になる、かあ。普通に良い曲だと思うんだけど……

中の人:確かに素敵な歌詞だし、きれいな曲だとは思うんだけど、HiHi Jetsのための曲かと言われたらそうじゃない気がするんだよね。

びんちゃん:ええ? どういうことそれ?

中の人:なんというか、この曲って誰でも歌えそうな歌詞じゃない?「僕らはどんな未来だとしても乗り越えていくんだ」って、全くグループのカラーが違う少年忍者が歌っても、世代が全く違う嵐やJUMPが歌っても良くない? って思っちゃう。

びんちゃん:まあ、確かに嵐が歌っててもおかしくはないね。ていうか歌ってそうかも。

中の人:この子たちじゃないと歌えない曲、この子たちの年齢だからこそ光る曲をもっと歌ってほしいなあって思うんだよね。例えば、エビ中*15の「大人はわかってくれない」は大人への反抗心を歌った曲なんだけど、リリース当時メンバーのほとんどが中学生だったエビ中だからこそ輝いた一曲だと思うの。あとトラジャ*16の「Dance With Me ~Lesson1~ 」は歌詞そのものがグループを描いていたり、「この年齢だから……」っていう要素があったりはしないけれど、全体を通して感じられるダンス! アメリカン! 楽しい! フゥー!! みたいな雰囲気はトラジャにしか歌えないなって思わせてくるんだよね。何も歌詞をメンバーやグループとリンクさせろ!ってわけじゃなくて、どこかに「この曲は紛れもなくHiHi Jetsにしか歌えない曲だ」っていう要素を入れてほしかった。特に1曲目のオリジナル曲が「HiHi Jets」っていうグループ名がそのままタイトルになった曲だったからそう思うのかも……

びんちゃん:「A・RA・SHI」*17方式だ。

中の人:まあアニメの主題歌だから仕方ない部分もあるんだろうけどね。でも、その後に発表された「Eyes of the future」*18がどうやったってHiHi Jetsにしか歌えない曲だったから余計に残念だったの!! はあああああああ…………まあ曲がもらえただけ良いと思わないと……贅沢を言ってはいけない……そもそも表舞台に立てることが幸せなんだから……

びんちゃん:ひえーー……なんか怖いよあなた……もはやアイドルの曲ってなんなんだろうって境地になってきたね……そろそろ普通のJ-POPとか休憩がてら聴いてみない?

中の人:いいけど、そもそも最近のJ-POP分かんないんだよなあ……アイドルしか普段聴かないから……

びんちゃん:とりあえず菅田*19聴こう!! 菅田!!! 菅田は良いから!!!

 

――中の人の「そもそも最近のJ-POP何流行ってるかわかんねえ!!」という言葉からお次は菅田将暉セカンドアルバム「LOVE」より「キスだけでfeat.あいみょん

びんちゃん:これは菅田とあいみょんが二人で作った曲だよー!

中の人:私あいみょんの曲聴くの初めてかもしれねえ……

びんちゃん:え、本当に?「マリーゴールド」とか聴いたことない?

中の人:多分ない……いや分からない……聞いたら分かるかもしれないからちょっとそれ歌ってほしい……

びんちゃん:いや、今「キスだけで」聴いてるから歌えない……この曲はね、夜の代々木公園で作った曲なんだよ。

中の人:え? 代々木公園で? デング熱の?

びんちゃん:うん、切り株に座って作ったんだって。

中の人:切り株……切り株に座る必要性が分からない……普通に室内で作ったらいいのに……

びんちゃん:この曲の歌詞は簡単に言うと「彼女が生理中だから仕方なくキスまでで帰す」っていうもの。

中の人:生々しい!! 生々しすぎないそれ!? 菅田将暉あいみょんそんなの歌っちゃうの!?

びんちゃん:この「お前今日は女だから」っていう歌詞とか、ほら、もろそうじゃん。やばいねー! やばいよねーこれ!!

中の人:「キスだけでいけそう」とか、おお……って感じだね。ていうかこれがアイドルとその他のJ-POPの違いのような気がしてきた。

びんちゃん:どういうこと?

中の人:いや、アイドルってこんなに生々しい歌詞歌わないなーと思って。未来に向かって頑張る! とか、教室の窓際の席のあの子♡みたいな歌詞は歌うけど、こんなに直接的なのは歌わないじゃん。

びんちゃん:うーん、そうかも。

中の人:もし嵐がこういう曲歌ってたらどう思う?

びんちゃん:それは……フゥー!ってなるね。

中の人:フゥー!……軽いな!!

びんちゃん:逆にジャニーズJr.の子が歌ってたらどう思う?

中の人:うーん、「あ、それは解釈違いかなあ、アハハ……」って薄ら笑い浮かべると思う。ちょっとイメージと違うかも。もしかしたらわたしたちはアイドルに対して、現実離れした、ある意味でフィクションな存在を求めてるのかも。あ、それこそ「偶像」か。

 

 

 そんなわけでただひたすらアイドルを聴きながら駄弁るだけで終了した第1回オフライン活動ですが、今回出た「アイドル楽曲とは何か?」という問いに対する本サークルの答えと、それにまつわるいくつかの考えを以下に示しておきます。

  • アイドル楽曲は「その子にしか歌えない曲」であってほしい。
  • それは歌詞がグループの姿そのものを描いていたり、本人たちの年齢にあっていたりしてほしい。
  • また、上記の要素がなかったとしても、明確な理由を言語化することはできないけれど「この子たちのための曲だ」と納得させられる要素を持っていてほしい。
  • 出来るだけ「偶像」性を壊さない楽曲であってほしい。

 一応、今回の活動で出た考えをまとめてみましたが、やっぱり明らかな答えが出た、という手ごたえは感じませんね……地下アイドルの子が他のメジャーアイドルグループの曲を歌ったり、ジャニーズJr.が先輩グループの曲を歌ったりすることはよくありますけど、そこで違和感を覚えることもあまりないわけですし……そもそも「その子にしか歌えない曲」なんてものはこの世に存在しない気もしてきますよね。うーん、アイドル楽曲は難しい!!

 こんな風にこれからも本サークルはアイドルに対して楽しく真剣に考えていきたいと思いますので秋学期もよろしくお願いいたします! もちろん新入会もいつでもウェルカムです♡

 

記:幹事長

*1:一番に応援しているアイドルを指す言葉。主にジャニヲタの間で使われる。

*2:2014年に結成されたインディーズ女性アイドルグループ。ベッドイン会というなかなか過激な特典会で注目を集めましたが純粋に曲は良い。2017年解散。

*3:Instrumental。歌唱のない音楽。いや本当にアルバムの1曲目に入ってるんだってば!!!

*4:ジャニーズ事務所所属男性アイドルグループSexy Zoneの略称。2011年デビュー。みんな王子様みたいに格好良くてキラキラ王道アイドルです。

*5:セカンドアルバム「Sexy Second」の1曲目「Sexy Second」はインストです。

*6:ライブ&バー「秋葉原ディアステージ」の従業員たちで2009年に結成。メンバー全員がオタクでアキバカルチャー色の強いグループです。

*7:最上もがちゃん。2017年8月にグループ脱退。なぜびんちゃんがもがちゃんのことを知っているのかは謎。

*8:ジャニーズ事務所所属男性アイドルグループ。2017年デビュー。メンバー全員が天然。

*9:ジャニーズ事務所所属アイドルグループ。1999年デビュー。こんな説明を書かなくても良いくらい有名な国民的アイドル。

*10:櫻井翔くんが作詞をし、歌唱するラップのこと。

*11:現在ソニーミュージック六本木ミュージアムにて期間限定開催中「ARASHI EXHIBITION "JOURNEY" 嵐を旅する展覧会」のこと。嵐に関する展示がされているみたいです。びんちゃんによるレポを近日公開予定。

*12:ジャニーズ事務所所属男性アイドルグループHey!Say!JUMPの略称。2007年デビュー。メンバー全員平成生まれなのでこのグループ名です。

*13:2007年リリース「Ultra Music Power」

*14:ジャニーズJr.内ユニット。2015年結成。ローラースケートが特徴的。

*15:私立恵比寿中学の略称。2009年結成。コンセプトは「永遠に中学生」

*16:Travis Japanの略称。ジャニーズJr.内ユニット。2012年結成。シンクロダンスが特徴的。

*17:1999年リリース。嵐のデビュー曲。

*18:2019年8月に発表された楽曲。メンバー作詞のラップや「時は2019年」という歌詞など、今のHiHi Jetsにしか歌えない、という点で最強のアイドル楽曲だと思います。

*19:菅田将暉。びんちゃんは菅田将暉が大好きなのです。