OTAKU meets IDOL

from 早稲田大学アイドルと言葉で遊ぼうの会

これからのアイドルオタクの話をしよう! - WebZINE「OTAKU meets IDOL」第1回

初めまして。早稲田大学アイドルと言葉で遊ぼうの会 幹事長兼SNSの中の人と申します。普段はジャニーズJr.のオタクをしつつ、インターネットの片隅でアイドルに関する文章を垂れ流しています。サークルを作ったからには一応活動っぽいことをせねば!というわけでWebZINEを始めてみました!ひゅーーーぱちぱちぱち。目指すは現代版「よい子の歌謡曲」またはポスト「Myojo」。いつかはわたしたちも恋人にしたいランキングとかやってみたいですね!!!

さて、皆さんはアイドル好きですか?ていうかアイドルって知ってますか?制服風の衣装を身に纏い、長い黒髪をツインテールにまとめ、遠目から見たらかわいいような、よく見たらかわいくないような女の子×n。または、胡散臭い笑顔を貼りつけ、ローラースケートで駆け抜ける男の子×n。偶像。作り物。握手券を餌にCDを売りつける。チケット流通センター。最前列のチケットが50万円。(チケットの不正転売は違法です。正規ルートで買って入りましょうね……)こんなイメージを持っている方も多いのではないでしょうか。ていうかそんな人がほとんどなのではないでしょうか。別にそれが間違っているとは言いませんし、無理やり訂正するつもりもありません。でも、安っぽいとか嘘っぽいとか、そういう固定概念でガッチガチに固めて、一生アイドルに触れずに終わるのはもったいない、と思うのです。少なくとも、小学校に入学した年にHey!Say!JUMPの虜になり、小学校高学年では七森中☆ごらく部やアニ☆ゆめをはじめとする女性アイドル声優(これ書いてて思ったんだが、もしかしてアイドル声優のユニット名には☆を入れないといけない決まりでもあるのか?)、中学生で乙女新党、高校に入り色々な地下アイドルを嗜み、そして現在はジャニーズJr.にどっぷりというアイドルオタクな人生を歩んできたわたしはそう思うのです。ですから、今回のWebZINEでは「アイドルってなに?」「アイドルオタクってなんでアイドルが好きなの?」という問いに対する幹事長なりの答えを踏まえ、本サークルへの勧誘をしていきたいと思います!!割とガチで人がいないのでガンガン行きます!!!

では、さっそく本題に入りますが、そもそもアイドルとは何なのでしょうか。みんな大好きGoogle先生に聞いてみたところこのような答えが返ってきました。

アイドルとは、「偶像」「崇拝される人や物」「あこがれの的」「熱狂的なファンをもつ人」を指す英語(idol)に由来する語[1]。稲増龍夫やカネコシュウヘイは、日本の芸能界における「アイドル」を『成長過程をファンと共有し、存在そのものの魅力で活躍する人物』と定義している[2]。
(アイドル - Wikipedia

成長過程をファンと共有する。存在そのものの魅力で活躍する。もしかしたらアイドルオタクじゃない人は何言ってんじゃと言う気持ちかもしれませんが、一度でもアイドルに夢中になった経験のある人は「なるほど」と思ったのではないでしょうか。

わたしは海外のアイドル事情に疎いのでK-POPC-POPアイドルのシステムがどうなっているのかは分かりませんが、少なくとも日本のアイドルには必ずと言っても良いほどの高確率で「成長過程を見守る」というシステムが存在しているような気がします。例えば、モーニング娘。の所属するハロープロジェクトではハロプロ研修生と呼ばれる括りが存在し、彼女たちは既存ユニットへの参加を目指して日々レッスンに励んでいます。また、光GENJIや嵐をはじめとするジャニーズ事務所所属の国民的アイドルもかつてはジャニーズJr.と呼ばれる研修生でした。その他にもAKBの研修生制度やスターダスト所属アイドルの路上ライブをする下積み時代etc……アイドルをマネジメントする事務所の多くで研修生制度やそれに準ずるものが採用されているのです。つまりこれは、我が国のアイドル文化における約半世紀以上の歴史の中で「研修生制度を作っておけば儲かる!!!」ということが実証されている、と言い換えることができるのではないでしょうか。

じゃあなんで研修生制度を作ったら儲かるんだよっていう話になると思うんですけど、それについてはもはや説明が要らないと思うんですよね。例えば、小さな子どもが初めて言葉を発した時、歩いた時、普通わたしたちはそれに感動し、その瞬間に立ち会えたことに感謝するじゃないですか。そういう「できなかったことができた」みたいなことに心動かされるのは当たり前で、小さなもの、幼く弱いものを慈しむ本能的なものだと思うのです。そして研修生制度はそれを軸に作られている。昨日まで音を外してた子が今日は上手く歌いきれた、半年前までローラースケートで転んでた子が今日は転ばなかった、1年前まで小さなステージでパフォーマンスをしていた子が今日は横浜アリーナに立った、アイドルオタクというのはそういう瞬間が普通の人よりも好きな人種らしいのです。

とは言ってみたものの実を言うとそれもなんか違う気がして。というのも正直言ってわたしはそんなにきれいな気持ちでアイドルオタクしてないんですよね。もっと汚い気持ち、黒いものが渦巻いた気持ちと言うか。少なくともわたしは自担(=自分の担当アイドル。一番に応援しているアイドルという意味。推しという表現を使うこともあります)の成長を素直に喜んだり、一つずつ大きなステージに立っていく姿に感動したり、というタイプの人間ではないのです。ていうかむしろ成長しないで、ずっとこのままでいて、とさえ思っています。ずっと小さな箱の中にいればいい、ずっと幼いままでいればいい、と。そしてその理由は、わたしがアイドルに惹かれる理由、わたしが一人の男の子に対して「この子こそがアイドル」と思う理由とイコールで結ばれている、気がします。

もうどこで聞いたのかは忘れてしまったけれど、心に強く残っているあるエピソードがあります。確か、アイドルや舞台といったショービジネスに携わる人の原体験として語られた言葉。若いときに見た舞台。ステージ上で歌い踊りきらきらと輝く若いミュージカルスターたち。すごい、素敵だ、感動した。しかし、本当は、その俳優たちは自分より何歳も年上で舞台裏ではげえげえと苦しそうに嘔吐していた。普通なら夢が壊されたと幻滅してしまうような話だけど、それに物凄く惹かれてしまった。いや、そんな裏があるからこそショービジネスに惹かれた。この人はそういう切り替えや二面性、徹底した「作り上げる」力に魅力を感じ、ショービジネスの虜になってしまったわけなのですが、わたしの「アイドルが好きだ!」という気持ちもそれと同じものであるような気がします。

「普通」の男の子がアイドルになる瞬間。何も考えていないような顔した男の子の表情が瞬きの速さでで切り替わり、会場の空気を自分のものにする瞬間。そういう一瞬一瞬がわたしは好きで好きでたまらなくて、ずっと見ていたくて、だからアイドルオタクをしているんだと思います。そしてそれが見られるのはアイドルの要素と普通の子の要素が半分ずつくらい、またはどっちかがほんの少しだけ多いくらいの子、つまりメジャーデビューをしていないような研修生の子のみなのです。午前は学校に通ってるけど、午後は帝国劇場に立っている。平日は制服着てるけど、土日は秋葉原のステージで衣装を着てる。そういう二面性に無条件にときめいてしまうのです。わたしのいる世界と彼らのいる世界は地続きかもしれない、という感覚にくらくらしてしまうのです。そして、そういう「普通」の要素をたくさん持っているのに、何かのスイッチが入れば一瞬でアイドルになってしまう子こそが「アイドル」だとわたしは思うのです。でもそれには「普通」の要素の存在が必要不可欠なわけで、それゆえ「普通」を失わないよう、つまり、成長しないよう願ってしまうのです。

でもこれってよくよく考えたら超残酷で汚い行為ですよね。表向きは「もっと大きな会場でコンサート出来ますように!もっと沢山の人に愛されるアイドルになりますように!」って叫びつつも、本心では自分の私利私欲のために「成長しませんように」って願ってるの、超やばくないですか?これを消費行動と呼ばずに何と呼ぶのかっていう感じですよね……若いアイドルの子を応援するときに抱く背徳感ってもしかしたらこういうところからきてるのかもしれない。アイドルオタクって楽しいよ!!って高らかに叫ぶ人よくいますけど、わたしはそんなこととても口にはできません。だって辛いから。アイドルを消費する自分が情けなくて辛いし、「成長って素晴らしい!」みたいなきれいな言葉を盾に消費されていくアイドルを見るのも辛い。でもそこに何ともいえない恍惚感もあるわけで、だからずるずるオタクを続ける。しかしやっぱり成長していくアイドル見て病む。そんな自分がキモくて更に病む。でも現場(=コンサートやライブ)行ったら超楽しいイェイ!これの繰り返し。こんなのほとんどビョーキですよビョーキ。でも、ほとんどビョーキだからこそ思うこと、考えることもあるわけで。わたしはそういう気持ちを文章にして残すことを大事にしたいのです。「アイドルオタクだから」こその誰にも分ってもらえない、誰にも伝えられない気持ちを文章にしようよ。文章にしてみたらちょっとは笑い飛ばせるものになるかもしれないじゃん。本サークルを設立した意図はそれなのです。評論じゃないし批評でもない。主観まみれだし個人的な意見ばっかりだし何故か病んでるし無駄にハイテンションだし、どこのグループにも属せないし。そんなオタクで集まって文章を書いたらめちゃめちゃ面白いんじゃないか?幹事長のそんな思い付きからこのサークルは始まりました。

均一化されていく世界。いいよね、素敵だよね、以外の言葉が許されない世界。最近のアイドルオタクのTwitterのTLって割とそういう雰囲気で、わたしはそれがたまーに嫌になっちゃうんですけど、ここでは色んな考え方をありだよね、そういう意見もあるよねって受け止めていきたいんです。だからもし、現役早大生or附属校・系列校に在籍する方で、アイドルが大好きで、アイドルについての文章をここに載せてみたいという方がいらっしゃったら是非是非メールかTwitterのDMください。わたしもアイドルオタクが全力でぶつける言葉が読みたいです。

そんなわけで我々アイドルと言葉で遊ぼうの会好き勝手やっていきたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします!

記:幹事長