幸福だけでアイドルオタクはできる、のか? 地下ドルヲタとジャニヲタが対談してみた。前編 - WebZINE「OTAKU meets IDOL」第3回
皆さまこんにちは! 早稲田大学アイドルと言葉で遊ぼうの会 幹事長兼中の人でございます! 12月に入り、寒くなってきた今日この頃ですがいかがお過ごしでしょうか?我がサークルでは、11月3日より解禁された嵐のSNS&サブスクにメンバー一同沸いております! 特にびんちゃん(前回記事参照)と中の人は毎日「激アツフェス!」と言いながらチェックしております。嵐の曲って聴いたことあるけどCD買ったことはないな~という方は是非是非LINEMUSICやApple Musicなどからチェックしてみてくださいね!
さて、今回は「アイドルオタクゆえの辛さ」に焦点を当てた企画を用意してみました。
近頃「推しが尊い」というワードに代表されるように、「オタクはオタクだから『幸せ』である」という考え方がインターネット上では広く信じられているように思われます。「推しがいるから頑張れる」「推しがいるから幸せ」このような考え方を持つアイドルオタクの方も少なくないのではないのでしょうか。また、「推しがいない人って何を楽しみに生活しているの?」という考えを目にしたことさえあります。確かに、大好きなアイドルのおかげでより生活が豊かになっている、という側面は私自身にも、そして本サークルの他メンバーにもあるような気がします。しかし、我々早稲田大学アイドルと言葉で遊ぼうの会では第1回更新でも述べたように、「アイドルオタクの持つ様々な価値観や綺麗とは言い難い感情も、全てまとめて受け止め、認めていく」という考えのもとで活動しております。もしかしたら「アイドルオタクだから幸せ」という多数(だとされている)の人の存在ゆえに自動的にマイノリティとなっている人がいるのかもしれない。だから、我々は、今こそ、「アイドルオタクだから幸せ」と語る人が多く存在している世の中だからこそ、「アイドルオタクになってしまったことで生まれた辛さ」について、取り上げ、言葉にしなくてはならないと思うのです。
そして、今回は男性アイドルのオタク、女性アイドルのオタク、両方の考えを取り上げるため、早稲田大学アイドル研究会様(@wasedaidle | Twitter)にご協力していただきました。これも、「全ての価値観を受け止める」という考えのもと、男性アイドルのオタクの意見だけを取り上げるのは違うのではないかと思いお願いいたしました。
登場人物
中の人:早稲田大学アイドルと言葉で遊ぼうの会 幹事長兼SNS中の人。2019年12月現在、ジャニーズJr.内ユニットHiHi Jetsメンバー作間龍斗くんのオタク。
Aさん:早稲田大学アイドル研究会 代表。真っ白なキャンバスのメンバー小野寺梓ちゃんのオタク。
予備知識として
・真っ白なキャンバス
2017年9月結成の女性アイドルユニット。最新シングル「いま踏み出せ夏」はオリコン週間ランキング最高7位を記録。2020年3月18日、キングレコードよりメジャーデビュー予定です。
・HiHi Jets
2015年10月結成の男性アイドルユニット。ジャニーズ事務所所属。ローラースケートが特徴のユニット。プライベートにおける写真がインターネット上に公開されたとして、メンバーの橋本涼くん、作間龍斗くんの2名が現在活動自粛中です。
――オタクを辞めることが大学に行く条件
中の人:本日はお願いいたします。
Aさん:お願いいたします。あの、確認したいんですけど、これってネット上に記事にしてアップするって感じですよね?
中の人:そうですね。
Aさん:その時、名前って公開されますか……?
中の人:いや、さすがにそれは……私も他のメンバーも偽名使ってますし……名前出すのって怖くないですか?
Aさん:怖いです。というか親にバレたらやばいんで……
中の人:あんまり家族からアイドルオタクなの良く思われてない感じですか?
Aさん:良く思われていない、というか、大学進学の条件だったんです。「アイドルオタクをやめること」が。
中の人:えーー! マジですか!? お家厳しくないですか!? 我が家は基本こういうのに関与してこないのでびっくりです……
なんとお話を伺って数分で「アイドルオタクを続けていることが親にバレたらまずい」という衝撃の事実が発覚。そんな状況下でも取材に応じていただいて本当に感謝です……
さて、今回は事前に質問用紙を準備し、そちらにご回答していただいてからお話を伺いました。
――地下アイドルはSNSが存在を知ってもらう鍵
中の人:まず、どうやって梓ちゃんのことを知ったか、なんですけど、Twitterで知って、そこから推した……って感じなんですかね。
Aさん:そうですね。
中の人:やっぱりSNSの存在は大きいんですかねえ。
Aさん:そうですね、SNSは大きいですね。SNSがなかったら存在すら知らなかったと思います。Twitterで知って、楽曲に興味をもって、そこから現場に行った感じなので。
中の人:その中から梓ちゃんを選んだのはなんでですか?
Aさん:一番長いレーンだったので、一番人気なのかなって思って。そこから推した感じですね。
中の人:梓ちゃんが一番人気なんですね! 楽曲から入るのは今までにも結構あったんですか?
Aさん:いや、今回だけですね。
中の人:じゃあ特に楽曲派*1、というわけでもないんですね。そして、とにかくSNSは偉大……
Aさん:自撮りとかも見られますし、受験前にはリプをもらったこともあります! ハッシュタグをつければ「いいね」ももらえますし……
中の人:これは羨ましい……ジャニーズはファンレターの返信文化が一部でかろうじて残っているだけで他に交流はないので大違いですね……なんて前時代的なのだろう……
Aさん:SNSでリプやいいねをもらえるというのは、精神的な近さがありますね。
中の人:いや、地下アイドルは精神的距離だけじゃなくて物理的距離も近いじゃないですか!! こっちは触れないんですよ!! 接触*2基本ないんで!!
Aさん:ジャニーズはSNSやってないんですか?
中の人:ジュニアのグループがちょこちょこインスタやウェイボーをやってるくらいで基本ないですね。*3月額324円のケータイサイトでブログやってるくらいで、普通のSNSをやってるグループはほとんどないです。しかもそのケータイサイトもファンクラブに入ってる人しか写真見られない仕組みになってるんですよ!! がめつい!! ジャニーズはがめついんです!!!
Aさん:男性アイドルでもっと小さい規模のものはないんですかね……?
中の人:あー、ジャニーズ、スタダ以外にもあるっちゃあるんですけど、そこまでくると「ガチ地下」になっちゃう場合が多いですね……もちろん、そういうところはSNSやってますよ!
Aさん:結局のところ、遠い、近い、は男性、女性の違いではなくて事務所の大きさの問題な気がしますね。
――CDを買えることがまず羨ましい!
中の人:CD・DVDの複数買いなど、「積んだ」経験ってありますか?
Aさん:ありますね。CDを20枚、30枚くらいかな?
中の人:おおーー! 女子ドルのオタクっぽい!それってイベントの参加のためなんですか?
Aさん:そうですね、元々48が好きだったので握手会参加のために買ってました。
中の人:なるほど……それって誰かにあげたりとかするものなんですか? それとも自分で保管するんですか?
Aさん:基本は家に置きっぱなしで、誰かにあげたりとかはしませんでしたね。そもそも高校時代は周りにアイドルオタクの友達とかもいなかったので……
中の人:「総選挙で1位にしてあげたい!」とか、そういう目的でたくさん買うことはなかったんですかね?
Aさん:そもそも推してた子が48の中でも総選挙で下の方の順位の子だったので、そういうのはなかったです。
中の人:ふーむ。でも私からするとCDが買えるっていうのは、羨ましいですね……私の好きなアイドルはそもそもCDデビューすらしていないので……
――「ガチ恋」はもはや死語?アイドルはコミュニティ形成のための「アイテム」
Aさん:いませんね……
中の人:ええ、マジですか!? ガチ恋オタクいないんですか!? 個人的に女性アイドルのファンといえば「ふちりんさん」*5のイメージが強いので意外ですね……それに、ジャニヲタは結構リアコ多いので……
Aさん:女性から見たらそういうファンが多いように思われるのかもしれませんけど、実際は全くいませんよ。というか、基本的に「アイドルが好き!」というよりは、アイドルを通してコミュニティに属することを重要視している人が多いんだと思います。ライブの後に飲むことを大事にしている人が多いというか……
中の人:あー、でもそれは分かる気がします。私も今年の夏同じ公演に複数回行ってたんですけど最後の方はコンサート見に行ってるのか友達とご飯食べに行ってるのか分からなくなってましたから……
Aさん:もはやアイドルはコミュニティを形成するためのアイテムなんですよね。ガチ恋をしてしまうと、そのコミュニティを壊すことになってしまうじゃないですか。だからいないんだと思います。
中の人:なるほど……あ、あと私はアイドルオタクの人が良く使う「尊い」という言葉の意味が分からないんですけど、この辺りに関してはどうですか?「尊い」とか使いますか?
Aさん:「尊い」……? 使いませんけど……中の人さんはどういうときに使うんですか?
中の人:いや、私もよくわからないので何とも説明できないですね……ただ、最近流行ってるんですよ!「尊い」って言うこと自体が!それと「結婚」も流行ってますね……
Aさん:それは「ガチ恋」的な意味ですか?
中の人:いや、好きなアイドルと結婚してる妄想をするというか……自分もあまりこの流行りが理解できていないので、これも説明しにくいんですけど、「好きなアイドルが自分と同い年の一般人だと仮定して、大学生くらいで出会って、そこから5年くらい付き合って、結婚した」みたいな設定で妄想するのが流行ってるんですよね。
Aさん:それはなかなか……「同担拒否」*6みたいな感じですか?
中の人:「同担拒否」!! よく知ってますねその言葉!! ジャニヲタ以外も知ってるんだ!! まあ、これは「同担拒否」とは少し違いますけど……でも、これは男性アイドルのファンと女性アイドルのファンの違いの一つかもしれませんね。コミュニティ重視でガチ恋をしない、のと、リアコで「同担拒否」というのは。ちなみに、「同担拒否」の人たちは「同担拒否」だけで形成されるコミュニティとかに属してることもあるんですよね。Aくんのオタクはこの子だけ、Bくんのオタクはこの子だけ、みたいな。
Aさん:えーー、そうなんですか……こっちは、同担拒否も、同担拒否だけで作られるコミュニティもないですね……
中の人:ちなみに私は同担拒否じゃなければ、同担拒否で形成されるコミュニティに属したこともありません……
――古今東西オタクのマウンティングとしきたり
中の人:ジャニーズは基本的にプレゼント禁止なんですけど、地下の方はできるんですか?
Aさん:出来るところがほとんどだと思います。勿論スタッフのチェックもありますけど……
中の人:チェックでOKでたら直接渡せるんですか?
Aさん:渡せる……と思います。グループにもよると思いますけど。あと、生もの禁止、1万円以下、みたいな決まりもありますね。
中の人:金額も決まってるんですね。じゃあ60万円のライダースあげる人とかもいないんだ。
Aさん:さすがにそういうのはいないと思います……そんな人いるんですかね?
中の人:若手俳優のオタクだと結構いるとかいないとか聞いたことありますね。プレゼントの金額でマウント取ったりとか……女性アイドルのファンの方ってマウント取ったりするんですか?
Aさん:いや、基本的にはないですね。勿論、SNSとかでチェキの枚数とか、CDの枚数とかでマウント取ろうとする人はいますけど、コミュニティの中でのマウントは少ないと思います。先ほども言ったように、やっぱりコミュニティに属することを大切にするので……
中の人:じゃあ掲示板に晒されたりとかもない感じですかね? 友達売ったりとか……
Aさん:ありませんよそんな怖いこと! 「誰々のレーン並んでたよ~」ってさらっと書き込まれることはあっても、それで関係がこじれることもないですし……他の子のところに行っても「別に? だからなに?」って感じなんですよね。迷惑かけたり騒いだりしなければ別に問題視されることもないです。もちろん、ガチ恋の人が他の子のレーン行ってたら「は?」とはなりますけど、そもそもガチ恋の人も少ないので、それも起きませんね。
中の人:女性「アイドル」ではないんですけど、宝塚って出待ち・入待ち文化が物凄く発達していて、しきたりとかもあるって聞いたんですけど、地下アイドルはその辺どうなんですかね?
Aさん:うーん、自分もよくわかりませんね……AKBとかは大きいグループなのであまりないですけど……地下もないんじゃないですかね。そもそも歴史が浅いのでしきたりとか、ないと思います。
中の人:禁止されてるんですかね。対女の子だからプライバシーとかきっちりしてるのかな。男性アイドルなら最悪の場合、オタクが暴徒化しても殴ってしまえばなんとかなるだろうけれど、女性アイドルの場合そうもいきませんからね……
――この子しかいない! 謹慎になってもファンをやめないオタク。
中の人:推しが流出、例えば彼氏バレとか、未成年飲酒とか、そういうことが起きたことってありますか?
Aさん:自分の推しが流出したことはないですね。でも、最近だとNGTとかが話題になってましたよね。
中の人:あー。あれって結局繋がり*7だったんですか?
Aさん:みたいですね……
中の人:ちなみに私の自担はこの前流出したんですけど、結構それが大事になってしまって実は今大変なんですよ……あの、この話していいですか?
Aさん:いいですよ。
中の人:これ、もう、本当に色んな人に話してるんですけど、簡単に言うと、私の自担と同じグループのメンバーもう一人が厄介なオタクと繋がってた、かも? みたいなことが起きて。
Aさん:あーー……
中の人:一応、二人の名誉のために言っておきますが、真偽は分かりませんよ! 分かりませんけど、そのせいで謹慎になっちゃったんですよ、謹慎!! もう、何やってんねんお前!って感じで。 しかも流出したのが舞台初日前夜だったんですよ! 9月3日から始まって、9月後半に終わる舞台だったんですけど、9月10日に謹慎と途中降板が決まって。で、私は9月10日、謹慎発表当日のチケットを持っていたので一度も自担を見ることが出来なかったんです。しかも謹慎を知ったのは現場に向かう電車の中という運のなさ……
Aさん:うわあ……残りのチケットはどうしたんですか?
中の人:3回は瀕死状態で行って残りは知り合いに譲りました……
Aさん:大変ですね……
中の人:謹慎発表当日の9月10日は地獄のようでしたよ……劇場ロビーの地下から泣き声が聞こえてきたり……あ、あと三井のリハウスってわかりますか?
Aさん:分かります分かります。
中の人:実は私の自担はリハウスのCMにも出ていて。
Aさん:ええ!?
中の人:当然それも途中で契約ぶっちになりましたね。
Aさん:違約金やばそうですね。
中の人:やべえと思います。とんでもねえ額が動いてんだよ!! って憶測でキレました。多分山田涼介*8か誰かの稼ぎで払ったんじゃないですかね……
Aさん:女性アイドルでも流出や謹慎は耳にしますね……
中の人:あーー女の子のアイドルにも流出ってやっぱりあるんですね……そういう場合地下のオタクの人ってどうするんですか? 推し変するんですか? それとも耐え忍ぶとか?
Aさん:うーん、基本的には推し変じゃないですか? 自分の主観ですけど特に地下のオタクはすぐ推し変するように見えるので……
中の人:じゃあ、Aさんだったらどうしますか? もしも、自分の推しと推しと同じグループに所属している子が厄介オタクと繋がっていたら……
Aさん:しかも、それで謹慎になってるんですよね。なかなかの出来事ですね……うーん、自分は今の推しを最後の推しと決めているので、もしそんなことが起きたらオタクやめると思います。
中の人:それは、正しい判断ですね……そうか、私もここでオタクをやめればよかったんだなーー……でも続けると決めてしまったからな……
Aさん:他の子を探そうとは、思わないんですよね?
中の人:そうですねー、こんなことになってしまってもその子以外の子じゃ違うというか、意味がないので。その子しかいないんですよね、結局。ああ、でもオタクはやめたい……
Aさん:謹慎中ってことは現場もないんですよね?
中の人:そうですね。だからなるべく普通のことしよう! と思って、美術館行ったりジャニーズとは関係ない舞台見に行ったりしてますね。
Aさん:え、ジャニーズってお芝居とかもやるんですか?
中の人:やりますね……自担が出るとそれを何回も何回も見ることになるんですよね。
Aさん:確かにそれは辛いかも……
中の人:最後の方は台詞も覚えてきますよ……でも、女性アイドルでもいくちゃんはレミゼとか出てますよね。ハロプロも舞台とかやってたし……
Aさん:やっぱり自分はライブで歌ってるところが見たいです。コール、MIX*9が楽しいというか。
中の人:あー分かります! 私の好きなグループはさすがにMIXはないんですけど、コールはありますよ! 男性アイドルでも地下だとガチ恋口上*10打ってますし……
Aさん:あ、それはテレビで見たことあります! 女性のガチ恋口上!
中の人:あーー多分それ私も見ました……テレビでガチ恋口上ってよくよく考えると凄いなあ……
前編である今回は、女性アイドルと男性アイドルの違い、また両者のファンの違いに焦点を当ててまとめてみました。
今回お話を伺った中で、最も興味深かったのは「女性地下アイドル現場には、実際ガチ恋はそんなに存在していない」「アイドルはもはやコミュニティを構築し、そこに所属するための『アイテム』である」という部分です。
アイドルはコミュニティに属するための『アイテム』だ」という考えですが、実を言うとこれを初めて聞いた時、私はめちゃめちゃに驚きました……というのも、私はただただ「アイドル」という存在に心を惹かれるばかりで、誰かと楽しく話をするために「アイドル」に興味を持ったこと、またはその反対に人間関係に疲れたからオタクをやめよう、と思ったことが一度もなかったからです。それと同時に、私の知り合いもまた(身も蓋もない表現の仕方ですが……)ただ自分の欲望を満たすためだけにアイドルオタクでいるという人ばかりな気がします。
確かに、男性アイドルのファンの方にもアイドルをそのような存在と捉えている人はいるでしょうし、実際「ジャニーズファンは交流やコミュニティを重要視している」という文献も存在しています。また「男性に比べて、女性は趣味そのものではなく趣味を通して交流を図ることを重視している」と言われることが多いのも、また事実です。しかし、いざ自分が男性アイドルのオタク界隈の中に身を置いていると、自分がそのアイドルを「好き」であることに重きを置いた人が多いように感じられるから不思議だなと思います。
コミュニティを重要視するか、自身の「好き」という感情に重きを置くか。全く反対の立場ですが、どちらが優れていて、どちらが劣っている、ということはないでしょう。それと同時に、コミュニティに属していれば、その人間関係で苦しむことがあるでしょうし、アイドルを「好き」であることに重点を置いていたとしても、その「好き」のあり方に自問自答を繰り返すことになると思います。ですから、結局アイドルオタクと辛さというのは切り離せない関係なのでしょう。
また、今回は中の人に降りかかった笑えない(ていうかむしろ笑ってほしい……)オタク不幸話もまとめましたが、実を言うとこれは記事にするかどうか物凄く悩みました。というのも、アイドルのいわゆる流失話や謹慎に関するお話は、こうしてインターネット上に残すことで傷つく人が必ず存在するはずだからです。アイドルオタクといっても、様々な人がいるように、ある一つの出来事に対しても、受け止め方や感じ方は人それぞれです。特に、流出話となれば、すぐに笑い飛ばせる人もいれば、なかなか受け止められない人もいるはずで、だからこの記事をなかなか書き上げることが出来なかったのです。もちろん、このお話は完全に書かないこともできました。しかし、私はアイドルオタクとしての自分をこの出来事抜きに語ることはできないのです。「全てのアイドルオタクの人の感情を受け止めたい」という気持ちで始めたサークルなのに、自分自身の思いさえも言葉にできないというのは情けなさ過ぎる、というわけで今回は端折らず掲載するという判断に至りました。ちなみに、10月にお話を伺ったのにもかかわらず12月の更新になったのはこれでめちゃめちゃに悩んでいたからです……という言い訳で今回は締めたいと思います(笑)
後編に続きます。
記:中の人
*1:メンバーやパフォーマンスではなく、「曲が好き」という気持ちが強いアイドルオタクを指す言葉。「アイドル楽曲とは思えない」曲が好き、という人が多いように思われます。(しかしアイドル楽曲はその他J-POP等に比べて劣っているのでしょうか? その点に関しても議論が必要だと思われます。)
*2:握手会など、実際に触れ合えるイベントのこと
*3:お話を伺った10月29日はまだ嵐がSNSを解禁する前でした。
*4:本気でアイドルに恋をしているオタクを指す言葉。同義語は「リアコ」「リア恋」など。
*6:自分の好きなアイドルの他のファンとは交流しないというスタンスのこと。元々はジャニーズのファンの間で使われていましたが、徐々に声優オタクなど他界隈でも使われるようになりました。ガチ恋、リアコ、リア恋の人はこれに該当することが多いとされています。
*7:アイドルとアイドルオタクが「タレントとファン」ではなくプライベートな関係を持つこと。
*8:鬼のように稼いでそう。中の人の勝手なイメージです。
*9:地下アイドル楽曲に入れられる呪文のようなコール。「タイガー、ファイヤー、サイバー……」と韻を踏んでいることが特徴です。楽曲イントロ部分に入れられることが多い。
*10:地下アイドル楽曲に入れられるコールの一つ。推しに対する愛の言葉が連なっているもので、「言いたいことがあるんだよ!やっぱり○○は可愛いよ!」という言葉から始まります。元々は女性地下アイドル現場で使われていましたが、現在は男性アイドル現場でも流行中。